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植物の観察&記録に触れる。朝ドラで話題の学者の植物図も必見@練馬区立美術館

練馬区立美術館コレクション+ 植物と歩く

2023年7月2日(日)~8月25日(金)、練馬区立美術館で「植物と歩く」が開催中です。洋画、日本画、ガラス絵、版画、彫刻、和本、植物標本などを通して、作者が植物のどのような部分に焦点を当てて作品を制作したのか、植物がどのように作家を触発したのかを探る展覧会です。
プロローグは「植物の観察」。観察によって植物の特徴を写し、記録するという目的は同じでも、描き方は作家ごとに大きく異なります。

なかでも、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルで、植物界に多大な功績を残した植物学者・牧野富太郎による植物図は、見どころのひとつ。精緻な描写と巧みな構図で植物の特徴を捉えており、その卓越した画力は観る人を惹きつけます。

牧野富太郎 「ホテイラン」(東京帝国大学理科大学植物学教室編纂『大日本植物志』、 第一巻第四集、第一六図版) 1911年 紙に多色石版印刷 個人蔵

第1章の「花のうつろい」では、植物の中でも鑑賞対象として特別な位置づけの花に対して、作家はどのような描写で表現してきたのかを紹介。

人間の心情や生活に華やぎをもたらす存在としての花、不気味なかげりとともに咲き誇る花、散った瞬間の幻想的な花など、それぞれ異なる側面から花の特徴を捉えた作品を展示しています。

須田悦弘 《チューリップ》 1996年 岩絵具・木 練馬区立美術館蔵 © Yoshihiro Suda / Courtesy of Gallery Koyanagi

第2章の「雑草の夜」は、鑑賞の対象になりにくい草にフォーカス。集合的で複合的な生命力を持つ草は、画家にとって魅力的なモチーフです。大画面を小さな葉で埋め尽くす油彩画を描いた佐田勝など、草を特徴的に描き出す作品を鑑賞できます。

第3章の「木と人をめぐる物語」は、インドネシアの木にまつわる風習から着想して制作した大小島真木の作品などを紹介します。素材としてあらゆるものを作り出せる存在であり、同時にあらゆる生命の拠り所としての存在である木。作品を通して、その対極的な側面を紹介します。

エピローグは「まだ見ぬ植物」と名づけられ、土や水など芽吹きを準備する環境や時間に言及する作品を展示しています。

展覧会のタイトル「植物と歩く」には、植物の営む時間と空間に感覚をひらき、ともに過ごすという意味が込められているとのこと。学者や画家の多種多様な表現から、人間にとっての植物の存在を考察できる展覧会です。

edit & write : yoko sueyoshi
会場  :練馬区立美術館
会期  :2023年7月2日(日)~ 2023年8月25日(金)
休館日:月曜日(月曜日が祝休日のときは開館、その翌平日は休館)
住所 :〒176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16
開催時間:10:00~18:00  ※入館は17:30まで
費用:一般500円、高校・大学生および65~74歳300円、
中学生以下および75歳以上無料、障害者(一般)250円、障害者(高校・大学生)150円、
団体(一般)300円、団体(高校・大学生)200円

※主催者の都合により情報が変更になる可能性があります。
 最新の情報はイベントHPをご確認ください。
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