【応用編】イベント企…

【応用編】イベント企画の救世主!AIツールで時間と創造力を手に入れる方法を伝授

良いアイデアが思い浮かばずに悩み、情報の検索にばかり時間がかかり、クライアントから与えられた条件を理解しようと奔走する……。企画業務は本来ワクワクするものですが、楽しさに到達できないまま、その手前で負のループにはまってしまうことはありませんか?

その解決策となるのが、アイデア出しから情報整理、さらには企画書作成まで、あらゆる業務を効率化するAIツールの活用です。こちらの記事では、AIツールを活用してワンランク上の企画を生み出すための方法をお伝えします。
監修者プロフィール:
尾亦耕平(おまたこうへい)
電通ライブ エクスペリエンスデザイン部
新しもの好き、ミーハーなコンテンツプランナー/プロデューサー。
映像畑出身。テクノロジーの進化によって映像が空間に融合~コンテンツ体験も多様化。手掛けるものは日々多岐に広がっていく。身体感覚として気持ちの良いものを求める。

橋本 昌弘(はしもと まさひろ)
電通ライブ エクスペリエンスデザイン部
デジタル、アナログを問わず長年にわたり様々なコンテンツ制作を手掛けてきたコンテンツプロデューサー/ディレクター。近年ではトレンドを先取りした最先端テクノロジーをコンテンツに融合した様々な企画/プロデュースを手掛ける。

企画業務の新常識。AIツールで時間とクオリティを両立する

新しいイベントやプロジェクトのアイデアを生み出し、具体的な計画に落とし込む企画業務。市場調査、コンセプト立案、企画書作成など、やるべきことは多岐にわたります。企画業務に携わっている方は、次のような悩みを抱えがちではないでしょうか。

「アイデア出しに時間がかかってしまう」
例えば、競合とのコンペに向けたキックオフミーティング。あれこれ意見は出るものの、決め手にかけるアイデアばかりで、気づけば結局何も決まらず時間だけが過ぎていく……。過去の資料やWebサイトを参考にしようと試みるも、情報収集だけで一日が終わってしまうことも。

「クライアントの要望を掴めない」
「注目されるイベントを考えてほしい」「とにかくSNSでバズらせたい」……ときにクライアントの要望はふわっとしており、具体的なイメージを掴みにくいことも。要望を整理して企画に落とし込んだつもりでも、解釈が違っていたせいか、クライアントに響かない。

「企画書の作成に時間がかかってしまう」
企画提案の構成やデザインを考え、魅力的な文章を作成するのに、気がつけばもう締め切り間近。企画書の作成に多くの時間を費やし、肝心の企画内容をブラッシュアップする時間が削られてしまった……。本来集中すべき業務に支障が出ている可能性も。

もしこうした悩みを抱えているとしたら、AIツールを活用するのも手です。ChatGPTをはじめとするAIツールは、企画業務を効率化してくれるだけではなく、上手に使うことでこれまで以上に創造的で質の高い企画を生み出せるようになります。では、それぞれの業務ごとに、どのようにAIツールを使えるのか見ていきましょう。

アイデアを出すまでの時間を短縮する、ChatGPT活用の3ステップ

より良い提案の前に重要なのが、インプットです。十分な情報を得られていないと、アイデアを出すための材料が不足し、良質なアイデアを出すまでに時間がかかります。逆に情報が多すぎても、かえって目指すゴールが定まらないなんてことも。

そこで、活用できるのがChatGPTです。必要な情報を効率的に整理し、アイデアのもとになるヒントを何度でも提供してくれるので、重要なポイントを押さえられます。それにより、企画の骨子を素早くつくることができるようになります。

インプットに関して、主に大きく2つのステップでChatGPTを活用できます。

<ステップ1.情報整理・分析>
まずは、ChatGPTに企画するイベントに関する情報を整理させましょう。例えば、「10代向けのゲームイベントで新作ゲームの認知度を向上させたい」場合、以下のようなプロンプトを入力します。

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あなたはプロのイベントプランナーで、ゲームにも精通しています。
ターゲット:10代向けのゲームイベント
目的:新作スマホゲームの認知度向上
イベント規模:100人規模
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これらの情報に基づいて、ChatGPTはイベントの内容や必要な要素を分析し、以下のような項目を提案してくれます。
ChatGPTならこのような提案を、瞬時に何度でも繰り返し出してくれるので、アイデア出しの時間と労力を大幅に削減し、アイデアの取捨選択や深掘りに集中する時間を確保できます。

これによりプロジェクトメンバーは素早くスタートを切ることができ、提案メニューの整理や施策全体のストーリー検討をスムーズに進められます。また、タスクの把握を通じて、提案日までの効率的なスケジュール管理が実現します。

<ステップ2.アイデア出し>
ステップ1で整理した情報に基づいて、具体的なイベントのアイデアを詰めていきたい場合、例えば、以下のようなプロンプトを入力します。

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イベントの具体的な内容を5つ提案してください。
イベントのテーマに合わせた、参加型の企画やサプライズ演出も提案してください。
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これに対し、以下のような項目を提案してくれます。
このようにChatGPTは、イベント企画の具体的なアイデアやサプライズ演出の提案を通じて、ターゲット層に合わせた魅力的なイベントを設計するサポートをしてくれます。

ただし、ChatGPTは100%納得できる回答をくれません。100本でも1000本でも繰り返しアイデアを出してくれますが、結局のところ過去のデータやパターンをもとに新しい提案を作り出しているに過ぎないからです。

アイデアは人間ならではの直感や新しい視点を加えてこそ、ユニークなものになります。そのため、ChatGPTの回答をそのまま採用するのではなく、あくまでもアイデアを広げたり、ブラッシュアップの目的で使ったりすることが望ましいです。

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ChatGPTで実現する「クライアントの真意を掴む」良質なコミュニケーション
良い企画をつくるには、クライアントの抱える課題や価値観を深く理解することがポイントです。そのためには、クライアントのコミュニケーションを強化し、ニーズや期待を的確に把握しなければいけません。

しかし、打ち合わせの時間を十分にもらえなかったり、要望が抽象的だったりすると、曖昧な理解のまま企画を立て始めなければいけない……なんてこともあるでしょう。そこで、ChatGPTを活用し、的確な質問リストの作成することで、コミュニケーションの質を向上させるための手助けになります。

例えば、「新作ゲームの認知度向上のために、10代向けのゲームイベントを開催したい」と言われたとします。企画を立てる前に、クライアントの要望を深堀するために必要な質問リストをChatGPTにつくってもらう場合、次のようなプロンプトを作成してみましょう。

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クライアントが『新作ゲームの認知度向上のために、10代向けのゲームイベントを開催したい』と言っています。この要望を深堀りし、より具体的な企画を立てるために、以下の要素に基づいて質問リストを作成してください。
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このプロンプトに対して、ChatGPTから次のような提案があります。
この提案を踏まえて、質問リストを取捨選択した上でヒアリングに臨むことで、より目的に沿った的確な質問ができるようになり、良質なコミュニケーションが可能になるはずです。

手軽で高品質!企画書作成を劇的に変える最強AIツール「Gamma」

企画のアイデアとクライアントの要望を踏まえて、プレゼンに臨む際に必要になるのが企画書です。企画書の作成に時間を取られている人も多いのではないでしょうか。

企画書の目的や対象読者が明確でない場合、内容がブレやすく、修正や手直しが増えて時間がかかることがあります。また、完璧を求めすぎて、細部にこだわりすぎてしまうことも原因かもしれません。

そこで、おすすめしたいのが、AI搭載のプレゼンツール「Gamma」。タイトルを入力するだけで優れたデザインのプレゼンテーションやコンテンツを自動生成できる神ツールなのです。

無料で登録すると、次のような画面が出てきます。
プレゼンテーションを選択し、「作りたいもの」を入力する枠に「新作ゲームの認知度向上のために、10代向けのゲームイベントを開催したい」と書き込んでみます。すると、次のような画面に移行します。
すでにアウトラインが作成されています。追加した場合は、「カードを追加」します。一旦、8つのアウトラインで次に進むと、一瞬で以下のようなスライドを作成してくれます(スライドは一部です)。
このように、かなりざっくりとした要望に対しても、自動的に最適なレイアウトを提案してくれます。ユーザーがデザインに悩むことなく、見栄えの良いプレゼンテーションを短時間で作成できるので、企画書の作成の時間を大幅に短縮できます。必要に応じて、各項目をさらに深掘りし、ページを追加することも可能です。

ただし、注意も必要です。生成された画像がコンテンツに適しているかどうか確認し、適していない場合は、画像生成AIの使用を検討しましょう。さらに、根拠に乏しい情報や誤った内容が含まれていないか、ハルシネーションチェックを行い、最終的には人間が精度を確保することを意識することが重要です。

【まとめ】AIとの協働で、より良い企画を

これまで、アイデア出しに時間がかかり、満足のいく提案をできなかったという苦い経験を持っている人は少なくないでしょう。しかし、AIツールを上手に活用することで、クライアントの要望やイベントの目的、ターゲット層を踏まえた最適なテーマや企画内容のアイデアを、短時間で得られるようになります。

AIはもはや一部の専門家だけのものではなく、誰でも簡単に利用できるツールとして普及しています。ただし、AIはあくまで道具であり、企画のブラッシュアップや最終的な判断は人間が行うべきです。また、AIの提案をそのまま受け入れるのではなく、倫理的観点や法的リスクを考慮し、自分の経験や知識に基づいて最終判断を行うことが重要です。今回の内容を参考に、AIを活用した企画業務にぜひ挑戦してみてください。
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