【基本編】 Chat…

【基本編】 ChatGPT がイベント関連業務を劇的に変える

最近よく耳にする「ChatGPT」。業務の効率化に役立つと言われ、利用する人が増えてい
ます。「興味はあるけど、あまり使っていない」という人は多いかもしれません。でも、
じつはイベントの企画から運営まで、さまざまな業務で役立てることができるんです。

使わない手はないということで、最新のテクノロジーを積極的に活用し、企画のクオリテ
ィアップや業務効率化を実現している電通ライブのイベントプランナーに、ChatGPTを活
用することでイベント業務がどのように変わるのか、詳しく解説してもらいました。
【監修者プロフィール】
尾亦 耕平(おまた こうへい)
電通ライブ エクスペリエンスデザイン部
新しもの好き、ミーハーなコンテンツプランナー/プロデューサー。
映像畑出身。テクノロジーの進化によって映像が空間に融合~コンテンツ体験も多様化。手掛けるものは日々多岐に広がっていく。身体感覚として気持ちの良いものを求める。

橋本 昌弘(はしもと まさひろ)
電通ライブ エクスペリエンスデザイン部
デジタル、アナログを問わず長年にわたり様々なコンテンツ制作を手掛けてきたコンテンツプロデューサー/ディレクター。近年ではトレンドを先取りした最先端テクノロジーをコンテンツに融合した様々な企画/プロデュースを手掛ける。

ChatGPTって何?「まずはこれだけ知っておけば大丈夫」な基礎知識

まずは、ChatGPTとは何なのか、なるべく簡単に説明してみたいと思います。

一言で説明すると「自然な言語を理解し、生成する能力を持つ人工知能を搭載したチャットサービス」です。

……といっても、よくわかりませんよね。

「自然な言語」とは、人間が日常的なコミュニケーションのために使用する言語体系のことです。話し言葉、書き言葉、文法、語彙、意味の解釈などを含みます。

「人工知能」とは、人間の脳のように言葉の理解や推理、学習、問題解決などを行うことができるコンピューターシステムのことです。

つまり、ChatGPTとは人工知能を活用して、単語やフレーズがどのような意図や文脈で使われているのかを理解しながら、人間と会話するサービスのことです。

例えば、「食べたいものが決まらない」とChatGPTに打ち込んだとします。すると、ChatGPTが「食べたいものが決まらない」という状況を踏まえて、「ということは食べたいものを決めたいのだろう」と打ち込んだ人の意図を理解したかのように、言葉の使い方のパターンや、単語と単語のつながりを推測して、以下のようにレスポンスしてくれます。
これが「自然な言語を理解し生成する能力」にあたります。とても自然なやり取りですよね。むしろ人間同士の会話よりも丁寧かもしれません。

では、ネットの検索とは何が違うのでしょうか。もし「食べたいものが決まらない」と検索した場合、従来の検索エンジンでは、次の画像のように関連するウェブサイトや動画のリンクが一覧で表示されます。
ChatGPTに比べると、どれが自分に合った情報なのかを一つずつ確認する必要があります。情報が散らばっているため、「食べたいものを見つける」ためには、膨大なウェブサイトの中から知りたい情報を見つけ出さなければなりません。

これまでそれが当たり前でしたが、よく考えると手間と時間がかかります。

ChatGPTは、単なる情報の提供ではなく、具体的なアドバイスを文章で説明してくれます。ここが、ネット検索と大きく異なるポイントです。

ただし、ネット検索で出合う情報と同じように、正確な情報とは限りません。間違った情報が紛れている可能性を念頭に置いておきましょう。

ChatGPTを使いこなすためのキーワード「プロンプト」

ChatGPTを理解するために、覚えておきたいのが「プロンプト」です。プロンプトとは、ChatGPTユーザーが入力する指示や質問のこと。前述の例で言えば「食べたいものが決まらない」に該当します。

適切なプロンプトを使用することは、より良い回答を得るために重要なポイントです。適切なプロンプトは具体的で明確な内容を含み、ChatGPTが正確に理解しやすくなります。

例えば、「食べたいものが決まらない(から食べたいものを見つけたい)」ときに、ChatGPTを活用する場合、プロンプトで「おすすめの料理を教えて」「好きな食材」「苦手な食材」など情報を加えることで、より役立つ回答が得られます。

「ChatGPTを使いこなすためには、プロンプトの作成が重要」。これをよく覚えておいてくださいね。

ChatGPTでイベント業務を効率化する方法

ChatGPTの基本的な機能をご紹介したところで、イベント業務の効率化に役立つ機能についてご説明していきたいと思います。

まずは、イベント業務がどのようなプロセスで構成されているのか整理してみましょう。イベントのコンセプトを決め、詳細な計画を立てる段階。次に、予算管理やスケジュール調整、スタッフの手配といった準備作業。そして、イベント当日の運営、会場の設営や来場者の対応、プログラムの進行管理など。イベント終了後も、イベントの効果を評価し、次回への改善点をまとめる作業もあります。

営業、企画、ディレクションなど役割はさまざまですが、すべてのプロセスには多くの時間と労力が必要です。ChatGPTを上手に活用できれば、それぞれの業務の負担軽減を叶えることができます。

先ほどChatGPTはネットの検索の代わりになるとお伝えしましたが、他にも機能があります。それは、「新しいモノの生成」と「既存のデータの考察と分析」です。

「新しいモノの生成」については、ChatGPTはキャッチコピーやイベントのタイトルなど文章の作成、イベントのコンセプトやテーマなどのアイデアを出すことが得意です。なかなか「これだ!」という文章やアイデアを導き出せないかもしれませんが、人間には到底かなわない膨大な数の候補を提示してくれます。

ブレストや壁打ちに適していますし、新たな視点を授けてくれるきっかけにもなります。また、提示された内容に対して、さらに深堀するプロンプトを投げかけることで、より良い提示を得られる可能性が高まります。
「データの考察と分析」については、長い文書やレポートの要約、情報整理などに適しています。ChatGPT4とChatGPT4oならファイルをアップロードできるので、WordやExcelなどに記載された情報を整理することも簡単です。

また、チャットにURLを記載すれば、そのウェブサイトの情報を要約することもできます。クライアントの企業や製品をサマリーしてほしいときに威力を発揮してくれます。データの考察と分析はとくに手間がかかる作業なので、時間を大幅に節約できます。

【まとめ】ChatGPTの進化は凄まじい。早めのトライを

文章作成やアイデアのブレストなど、ChatGPTの多岐にわたる機能を使いこなすことで、業務の効率化はもちろんのこと、質も向上させることが可能です。ChatGPTの特徴は、何よりも進化のスピードの速さです。

半年前までは「できることが限られているな」と感じていましたが、いまは改善されて「何でも実現できる」という感覚があります。今はまだできないことも、来月にはできるようになるかもしれません。ChatGPTは難しい操作を覚える必要もなく直感的に操作できるので、時間の無駄にはならないはず。無料版の機能も充実しているので、気軽に試す感覚でぜひ活用してみてください。

write & edit: yoko sueyoshi
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